大人になってから歯列矯正をした話

はじめまして。おがみのと申します。オタクです。

現在私は、インビザラインという透明なマウスピースを使った歯列矯正をしていますが、昨年の夏まではマルチブラケット法というワイヤーとブラケットという装置を使った(こちらの方がポピュラー)矯正を行っていました。

小さい頃から自分の歯並びがコンプレックスでしたが学生当時は経済的な理由で諦め、社会人になってからローンを組み、なんとか自分のお金で矯正治療を行うことができました。

2016年末に本格的に始まった矯正治療が、計画では今年の5月か6月に終了するのでなんだか感慨深くなり、私と同じ理由で学生時代に矯正を見送った方や、マウスピース矯正とワイヤー矯正どっちがいいんだろうと悩んでいる方の参考になればいいなと思い、こちらの記事を書きました。

Twitterで途中まで書いたのですがやはり文字数が…)

矯正しようと思ったことはないけどちょっと気になる、という方も、お時間の許す限りで読んでいただけますと幸いです。

 

少々長くなるので、先に結論を書きますと、

大人になっても矯正は間に合います!

(私の周りだけかもしれないのですが、矯正=子どものうちにやっておけ、みたいな風潮があったので…)

学生の頃経済的な理由で歯列矯正を見送った方や、今も歯並びで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、まずはお近くの矯正歯科に行ってみることをおすすめします。

本当に矯正しなくても、カウンセリングだけでもいいと思います。

昔(私が初めに矯正をしたいな〜と思った10余年前)より技術は格段に進歩していますし、前述のマウスピースのように矯正中の外見を考えた方法もありますので…

 

以下は目次でまとめたので、興味のあるところだけでどうぞ…!

 

 

治療までの経緯

 小学2年生の時に、上の前歯2本が永久歯に生え替わりましたが、どちらの歯も斜めに生えてしまい、子どもながらにショックでした。

そのことについて家族や友達から何か言われることはありませんでしたが、4年生の時、席替えで隣になった男子(それまで話したこともない)に「その歯なんなの?w」と言われ、「やっぱり変なんだ」と落ち込みました。

小学校の同学年に矯正をしている子は何人かいたので、虫歯治療で近所の歯科医院に行った時に矯正について聞いてみると、医院長先生に「ウチの娘も矯正してるけど、痛くて毎日泣いてるよ〜w」と脅かされ、単純に「痛いのは嫌だな…」と思いこの時はすんなり諦めたように思います。

 

中学生3年生の頃、思春期ということもあって「やっぱり矯正したい」という気持ちが大きくなり、矯正治療を行っている歯科医院に母と行きました。

治療をしている部屋とは別の部屋に通され、私の歯並びを見た先生に「これは東京の歯医者に通わないと治せない。紹介状は書きますが、通うとなると治療費は100万円を超える」というようなことを言われ驚きました。

当時、私は自分の特技を活かせる学科のある高校に進学したいと考えていたのですが、その学校は同じ県内ながら家からはとても遠く、寮もないため、通学費用が大変なことになることがわかっていました。

決して裕福ではなく、高校生と小学生のきょうだいもいる中で、さすがに私ばかりわがままを通す気にはなれませんでした。

姉の「私は全然気にならないよ」という言葉に励まされ、この時も矯正を見送りました。

 

高校(無事に合格)、専門学校と個性豊かな面々に囲まれて過ごすうちに、この歯並びも自分の個性のひとつなのでは?とやや前向きになっていきました。就職して自由に使えるお金ができてもしばらくは当時の推しに貢いだり旅行に行ったりしていましたが、就職して3年目となる2016年に、ある出来事があり、矯正を決意しました。

 

きっかけ 

2016年、私が学生の頃からお世話になっていた直属の上司が独立するという出来事がありました。(学生アルバイト→新卒で正社員というぬるりとした流れで入社)

仕事をする上での大きな指針を失ってしまうようで、足下がぐらぐらする日々の中、Twitterでふと目に止まったのが安野モヨコ先生の「働きマン」とコラボしたマウスピース矯正のスペシャルコンテンツの存在でした。

※現在は終了していると思われますが、取り上げたニュース記事が残っていました

news.infoseek.co.jp

歯列矯正や歯並びに関する情報サイト | 歯並びスマイル

 

「透明で目立たない上に矯正期間が短く済むなんて最高では?」と思い、マウスピース矯正ができるクリニックを調べて(幸運なことに近所に新しくできていました)その日のうちに電話でカウンセリングの予約を取りました。

今思い返すと精神的に非常に不安定だったこともあり、自分も何か新しいことに縋らなければしっかりできなかったのだと思います。

 

治療計画 

初めて訪れた歯医者さんは新しいだけあってとてもキレイでした。

そして「マウスピース矯正がしたいんです!!」と勢いこんで行ったものの、実際の歯並びを診断してみないとマウスピース矯正が行えるかわからないとのことでした。

レントゲンで撮影したり、歯型を取ったりした資料を、歯医者さんから医療機関に提出します。そして返ってきた診断書をもとに治療の計画が練られるのですが、結果は「希望を叶えるにはマウスピース矯正は向いてないです」とのこと。そうですか…

 

私の希望は、「斜めになっている前歯をまっすぐにしたい」だけだったのですが、話はそう単純では無く…。

そもそもなぜ私の前歯が斜めに生えてしまったかというと、前歯の両脇の歯が先に永久歯に生え替わってしまったため、大きい永久歯が2本生えてくるだけのスペースがなくなり、結果、狭い場所にぎゅうぎゅうに生えてきたということだったみたいです。歯並びが悪いのは遺伝だと思っていましたが、抜け替わる順番もまずかったんですね…

 

歯をまっすぐにするには、前歯以降の歯を後ろに下げないといけないのですが、すでに成人している私は顎のスペースが決まってしまっているので、歯を必要数抜かなければならないとのこと。

子どものころに矯正をしておいた方がいいという話は、成長に合わせてコントロールできるからなんですかね。

マウスピースはすべての必要な歯が揃った状態で型をとって、そこから徐々に理想の形になるように変えていくのですが、私の場合まだ生えてきていない親不知があったり(矯正の邪魔になるので抜く)、スペースを空けるために虫歯でもなんでもない歯を抜かなければいけないなどの大工事が必要なので、マルチブラケット法での矯正のほかなかったそうです。

正直、上の前歯だけなんとかなればいいと思っていたのでそんな甘くないんだな…と驚きました…。

治療期間はおおよその目安で2年半でした。

 

治療費

矯正にかかる費用は計画の段階で最初に提示されます。

かつては100万円という大金を提示されましたが、今回の治療費は

864,000円(72,000円×12回払い)でした。

※あくまで私の場合で、人によって違います

 

前より下がってるとはいえやっぱり高いなぁと思いましたが、

なぜこんなに高いのかというと、審美目的での矯正には保険がおりないためです。

私の場合、歯並びによって日常に不便をきたしていた訳では無いので、「審美治療」にあたります。そして「治療費用」ではなく、「審美費用」と呼ぶ方が正しいのかもしれません…

 

それまで支払ったことのない金額に正直尻込みしましたが、乗りかかった船という感じがしたので、歯医者さんに指定された信販会社でデンタルローンを申し込みました。

(申込書などはクリニックの中で書かせてもらえるので、わからない項目があってもその場で解決しました。印鑑はクリニックに持って行って帰りに投函するか、家で判を押して後日ポストに投函でもOKでした)

支払回数はもちろん選択可能ですが、私はできるだけ早く支払ってしまいたかったのと金利がもったいなかったのでちょっと苦しかったですがどうにか1年で返済しました。

矯正にかかるすべての費用込みなので、治療のたびに新しく請求されることはありません。(2年以上経ってもマウスピースを1枚紛失した時以外お金払ってないです)

 

マルチブラケット法(2016年11月〜2018年7月)

マルチブラケット法は、広く認知されている、ひとつひとつの歯の表側にブラケットという器具を接着し、そこにワイヤーを固定して歯全体に圧力をかけることで少しずつ歯を動かしていく方法です。矯正の進行によってワイヤーの太さを変えたりします。最初は2週間に1回くらいのペースで調整のため歯医者に通っていましたが、だいたい揃ってからは月イチになりました。

また、噛み合わせなどをそろえるために上の歯だけでなく下の歯も(あまり動かさないにしろ)装置をつけました。

 

私が見た目のことを気にしていたため、ブラケットは金属製でなく透明なプラスチックのものにしてくれました。この透明なブラケットは着色にしくい上に交換したては本当に目立たなくてキレイなのですがカレーを食べると即黄色くなってしまうので注意してください。カレーには勝てない。(私は交換したその日にカレーを食べたことがあります)

 

いいなぁと感じたところ

  • マウスピースは自分で保管・管理しなくてはならないけど、装置は歯医者で調整だけしてもらえれば放置なので、私のような人間には楽といえば楽

大変だと感じたところ

  • 基本外せないものなので、食事の時にとにかく食べ物がつまる!特に麺類は結構な地獄。
  • 歯が無理矢理動かされている状態なので、ワイヤーを交換して2、3日は痛い。食事の時噛み合わせると特に…涙が出るほど痛いこともある。ダイエットになるのでは?という人もいるけど、私は食い意地が張ってるので、食欲が落ちたりは無かった。意地でも食べた。
  • 歯磨きがしづらい。私は一日3回歯を磨いても歯茎が腫れてしまった…(歯磨き指導されても尚…やりかたが悪かったのかもしれないけど)

 

いいところがあんまりないですね…

ワイヤーとブラケットがなければ歯並びは改善されなかったので感謝していますが、今この矯正方法に戻りたいかと問われたら即答します。嫌です。

 

インビザラインでのマウスピース矯正(2018年8月〜現在)

ワイヤーでの矯正が始まって一年と半年経ったある日、歯科助手のお姉さんから「先生から、もう大体の処置は終えて、調整する段階に入ったのでマウスピースに切り替えてもいいかなって提案があるんですけどいかがですか?」と声をかけられたので、即決で切り替えることにしました。(歯磨きが下手すぎて歯茎が腫れちゃったからというのもあり)

 

マウスピース矯正はまさに現代の科学技術の粋を集めたともいうべきもので、

特殊なスキャナーで口腔内をスキャンすることで、精密な歯のデータをPC上で3D再現できるだけでなく、完成までの歯の動きもシュミレーションで見ることができるのです…!

そのデータをアメリカの工場に送って、一週間程度ですべてのマウスピースが届きます。私の場合は、上の歯と下の歯セットになって全部で36袋(36枚)。ひとつの箱に無理矢理つめたらしくわりとパンパンでした。

私の貧困な語彙力では伝わるものも伝わりませんが、とにかく技術の発展は本当に素晴らしいです。矯正を諦めた小学生や中学生の頃にはなかった技術…無理を押し切って決行しなくてよかったです。

 

マウスピースは大体1週間〜2週間で次のマウスピースに進みます。

 

いいなぁと思うところ

  • 透明なマウスピースをはめるだけなので、見た目はほとんど矯正していない人と変わりない
  • 食事のときは外していい(というか、外さないと食べられない)ので、食事のときのストレスがなくなった
  • ワイヤーの交換後より格段に痛みが少ない

 

大変だと思うところ

  • 食事の時以外は基本ずっと着けてないと効果が無く、食後は必ず歯磨きをしてからマウスピースをつける、洗浄剤で清潔に保つなどのケアもある程度必要。
  • 同じ形のマウスピースはこの世に2つとないので、紛失すると作り直しになる。その分矯正の期間は延びるし、お金も5千円近くかかる(1回やらかした経験有り)

自分でちゃんと装着して管理しないと効果が出ないし、強制的に動かされた歯は元の位置に戻ろうとするのでサボってる間に前日はまってたマウスピースがはまらなくなったりする…

これまではいちどに4袋=およそ一ヶ月分くらい渡されていたのですが、歯医者さんの方でマウスピースのストックが(他の方の分も)溜まってしまったため、箱ごと渡されて今は一ヶ月おきに様子を見せにクリニックに通っています。

もともとマウスピース矯正がしたかったので、先生が提案してくれたのはとても嬉しかったです!

ちなみに、マウスピース矯正に切り替えても追加の請求はありませんでした。

 

心境の変化など

まだ終わってはいないのですが、治療を開始して2年以上経ち、と嬉しい方向へ心境の変化がありました。

20年間悩み続けた歯並びのコンプレックスが解消されたことで歯を見せられる(自然に笑える)ようになったのが大きいかと…

例えば写真を撮るとき、歯並びが気になって口を閉じると前歯のせいで口元がもこっとしてしまって余計に変な顔になったりとか、笑うときも袖で口元を隠したりとか、そういうことがなくなりました。

やや目立つワイヤー矯正をしている時ですら、「矯正しているので!いつか歯並びよくなるんで!」と無駄に強気でいられた…。

●ィズニーシーで撮ってもらったキャラグリの写真を見て、自分の歯がきれいになっていて嬉しくなったりもしました。

 

最後に

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。

冒頭にも書いたのですが、大人になったから矯正が難しいとか、遅いということはなくて、大人には大人の矯正のやり方があるし、私は大人になったからこそ、自分でお金も払えました。

ただ、子どもの頃に歯列矯正をするメリットはたくさんありますので、もしこの記事を読んでくださっている方の中にお子さんに矯正をしたいと言われたことのある親御様がいらっしゃいましたら、カウンセリングだけでも受けさせてみてはいかがでしょうか。

お金はかかるし、手放しで賛成はできないかもしれませんが、お子さんは勇気を出して相談されたことだと思いますので、否定はしないであげて欲しいのです。

子どもの矯正治療も自分たちが子どもの頃より発達してると思いますし…!

 

歯並びが個性のひとつだと思うことには変わりないので、誰かに強制されて治療するのではなく、「自分が」きれいにしたい!と思った時に直すのがいいかなぁと思います。

「その歯並びが好き!直さないで!」と誰かに言われる可能性もゼロではないかもしれませんが、その時は「いいや直す!」と押し通してもいいし、「じゃあ直さない」と受け入れてもいいと思います。

大切なのは本人の意思です。(たぶん…)

 

以上が私の現在までの体験でした。

とても長くなってしまいましたが、いずれかの項目が何かの参考になれば幸いです。

 

 

 

余談ですが、マルチブラケット法の場合、ワイヤーを固定するための針金とか刺さってディープキスが難しいらしいです。(マウスピースは針金ないし外せるので問題なし)私もほっぺたの内側に針金の先が刺さって痛かったこともあるしそりゃそうかなって思います。 

知らんけど!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 

舌がズタズタになってもかまわないという大きな愛をお持ちの方はトライしましょう。

 

 

何か質問とかありましたら、コメントをあけておきますので、お気軽にどうぞ…。